英語、通じませんでした

問題ないと思っていた英語が、通じないどころか、まさかのトラブルに発展⁉ ハラハラドキドキの体験談です。

UK
Y・Kさん(30代 機械)
フランス資本のエンジニアリング関連会社のUK事務所に出向して半年経過。事務所は自分とローカルの英国人が3名のみで、日本本社とフランス本社の間で受注発注のとりまとめ業務に携わる。TOEICは出向前に600点を超えたが、日常会話は未だに自信なし。

“What are you doing tomorrow ?” なぜ無視された?

私の主な業務は、イギリス内でのビジネス展開というよりはフランスと日本間の調整をイギリスで行うことのため、ほとんどが事務所内でのデスクワーク。同僚のイギリス人たちはイギリス国内での営業をするため、出払っていることが多く、またこの欧州では営業職は毎日事務所に出勤しなくても、連絡は携帯で取り、ノルマを果たしてさえいれば家で事務業務をするのも認められています。

このように同僚とはあまり会話をする機会がないかわりに、事務所のクリーナーのAさんと英会話を楽しんでいます。おそらく彼女は20代後半。毎日6時過ぎにやってきて、事務所、受付周り、会議室、トイレ、ドリンクエリアなどを掃除してくれます。Aさんはいつも笑顔で「ハロー」と言いながら、ゴミ箱のゴミを集め、机の上を拭いていってくれる。週に2回は掃除機もかけてくれます。たいていは「ハロー」と「サンキュー」だけですが、時々Aさんのほうから「日本との時差は何時間?」とか「イギリスの食事はどう?」などと聞いてくれるので、ちょこちょこっと受け答えをして、こちらからも名前を聞いたりイギリスでは何がおいしいのかなどと聞いたりします。仕事とは関係なく、どうでもいい話を少しだけ英語でできるこの時間は、自分の中でもけっこう楽しみな時間。そのうちに、次にAさんが来たときに話ができそうだったら、これを聞いてみようとか、こう言ってみようなどと考えるようになりました。

そんなある日の金曜日。同僚は全員昼過ぎから外出したので、午後からは一人きりでデスクワーク。いつものように6時過ぎ、Aさんがやってきました。自分も帰ろうと机の上を片付けていたので、彼女は「あら、今日はもう終わり。早いのね」と声をかけてきた。そこで、「もう帰るところだよ」と言い、ここぞとばかり彼女に質問をしてみたのです。「家は近所? 家族は?  どこで生まれたの?」などあたりさわりのない質問ですが、英会話の勉強のつもりで。彼女は、車で10分の近所に家族で住んでいること、生まれたのはここから北に30分くらいのところ、と教えてくれました。

Aさんも机をふきながらニコニコと答えてくれていたので、次に“What are you doing tomorrow ?”「明日は何をして過ごすの?」と他愛ない質問のつもりで聞いてみたところ、彼女の顔つきが一瞬変わり、“I’m busy tomorrow.”「明日は忙しいわ」と言い、そそくさと部屋を出ていったのです。「あれ、何か変なこと言ったかな?」と思ったけれど、気にせずその日は帰宅しました。翌週、またAさんはいつも通りに6時過ぎに事務所に現れたけれど、僕に声もかけずに掃除。しかも、ドアの横には背の高いイギリス人の男が立って、僕を睨みつけている……⁉「勝手に事務所に入ってきてはダメなのでは?」と思ったけれど、何か言われても嫌だと思って無視。掃除が終わり、彼女はその男性と一緒に帰っていきました。彼女のボーイフレンドだったのかも。

翌日、朝からめずらしく同僚のイギリス人が事務所にいたので、「クリーナーを怒らせたかもしれない」と、自分の使った英語をそのまま言ってみると、「うーん、それは、君が彼女を誘っていると思われたんじゃないかな」と言われてビックリ。「明日は何をするの」とは「明日ひま?」ってことだと。“What do you do on your holiday ?”「休みのときは何するの」とか“What is your pastime interest?”時間のあるときにどんなことしているの」という一般的な聞き方をすればよかったらしい。ひぇーっ、まさかそんなこととは~。早く彼女の誤解を解かねばと思った次第です。英語って難しい……。

Y・Kさんの体験談はこれからも続きます。どうぞお楽しみに!