英語、通じませんでした

問題ないと思っていた英語が、通じないどころか、まさかのトラブルに発展⁉ ハラハラドキドキの体験談です。

UK
H・Wさん(40代 機械)
車部品を扱う製造業の社員。欧州市場での部品調達のため、トルコ、フランス、イギリスへの出張が年に数回ある。工場や事務所では通訳がいるため、仕事では英語を使うことはほとんどないが……。TOEIC®は最高520点。

Vol.2「“Free”なのに「自由」でも「無料」でもない!?」

私は、日本では普通にスモーカー。休憩時間には同僚とタバコを吸いながら缶コーヒーで一服がいつもの習慣。ところが、最近欧州でも喫煙者は肩身の狭い思いをすることが多くなりました。フランスやイギリス、多くの国では屋内での喫煙は禁止。ホテルの部屋はもちろん、レストランやお酒を飲むカフェバーやパブでも禁止です。どこも建物の外に隣接した喫煙コーナーがあり、そこでしかタバコを吸えません。そして、思いのほか喫煙コーナーに人がいないというのも、実はちょっと驚きで、いつも喫煙コーナーにいるのは自分だけ?と感じ、せっかくのタバコもおいしくないような気分にさせられます。

工場や事務所も同じで、現地の人もあまり職場では吸わないのか、いつも日本人の出向者ばかりが喫煙所にいるように感じていました。私は出張だからいいけれど、ヘビースモーカーの駐在者は大変だろうなあとつくづく思います。

そんなある日のこと。UK事務所のあるバーミンガムから、北東部へ行くことになり、ちょうど社用車が出払っていたためにレンタカーを借りることになりました。レンタカーを借りるのは現地採用社員のAさんが仕切ってくれるので問題なし。オートマで、イギリスは日本と同じ右ハンドル・左側通行で、すでに何度も英国内で運転したこともあるので心配もなく、2日間の行程を消化し、レンタカーを返却。明日は日本へ帰国、というときでした。

夜、パブで駐在員たちと飲んでいたら、Aさんから電話があり「Hさん、レンタカーの中でタバコ吸いましたか?」と訊かれたのです。「はい? ああ、はい、吸いましたよ。でも車を返す前に吸殻入れをちゃんと空にしておきました。何か?」と答えたところ、Aさんは「あのー、タバコはダメですよ」と。え? Aさんだって、帰りに自分の車に乗るとすぐにタバコの火をつけているし、走っている車の窓から煙を吐き出す人、いっぱいいるけどなあ…。Aさんは続けて「レンタカーは、人と共用する屋内なので、喫煙禁止なんです。煙がシートやハンドルなどに染み付いていて、この車は消臭の洗浄をしなくてはならず、150ポンド課金すると言われています」と言います。

え、ちょっと待ってよ。なんで? 150ポンドなんて持ち合わせていないし、高い! このチャージは会社に請求できるのか…?? だいたい、禁煙車だなんて聞いていなかったし。少し腹が立ってきてこう言いました。「Aさん、いいですか? このレンタカー、灰皿がついていたし、それにもっと言うなら、ステッカーが車内に貼ってありましたよ。たしか、“Our policy is that all our cars are smoke free.”って。これ、『わが社の車ではタバコはご自由に』でしょう? 僕はいつも、レンタカー借りても気をつけてタバコは吸わないけれど、今回はこんなステッカーがあるから安心して吸っていたんだよ」。

するとAさんは大きくため息をつき、「すみません、Hさん。英語では“smoke free”は煙り禁止つまりノン・スモーキングのこと、“ sugar free”は無糖のこと、”fat free”は脂肪分ゼロのことなんです」と一言。なに?? そんなの知らないし、習ったこともないよ~!

まるで英語に騙された気分でしたが、仕方ありません。タクシーを呼んでレンタカーの事務所まで行き、150ポンドをもちろん個人のカードで支払い、事を済ませました。これじゃあフリーどころかめちゃ高い喫煙です。ガックリ。あ、ちなみにAさんによると、「喫煙可」の表示はないのが常識だそう。「吸っていいよ」とは喫煙の誘因になるそうで。厳しいんだなあ~欧州は。

H・Wさんの体験談はこれからも続きます。どうぞお楽しみに!