私を伸ばしたビジネス英会話

海外経験豊富なビジネスマンが語る、とっておきの英語フレーズをご紹介。どういう場面で使うのか、どういう効果があるのか、など、交渉を進める上できっと参考になるはずです。商談相手に「できる!」と思われること請け合いです。

USA
Shimbaさん(50代 コンサルティング会社経営)
陸運業の会社に入社と同時に海外勤務を希望。「できるだけ多くの外国人の声を聞いて、音に慣れる」ため、自費で語学学校の複数クラスを受講。20代後半にアメリカ赴任が決まり「なんとかなるだろう」と考えたが、実際は「なんともならず」。このころのTOEIC®スコアは500点ぐらい。現在は起業家として活躍中。

Vol.4 I will be fired if the delivery of the package is delayed.

若葉マークビジネスマン奮闘記Vol.2と同じように、陸運業の会社に勤務していたときの話です。日本からアメリカに送った「貨物」は、それが「工業製品」であろうと「引越荷物」であろうとアメリカ国内に入れるためには「通関」という手続きが必要です。手続きである以上、それが許可される場合と許可されない場合、あるいは許可までに時間がかかる場合などが出てきます。
私が担当していた「引っ越し荷物」が「工業製品」と違ってややこしいのは、代替えが効きにくい点にあります。つまり予定された日程までに許可が下りない場合は、極端な話として日本から送った家具類が引っ越し予定日に入らないので、ベッドでなく床に寝なければならないことも起こり得るわけです。
つまり、お客様にとってまさに死活問題?になり、納期を最短にすることがとても重要となります。ご存知のように重要なことはえてして問題が発生しやすい事項が多くありますが、この「通関」も実のところ様々な問題を経験させてくれることになりました。

当時の私にとって朝一番の仕事は、誰よりも早くにオフィスに出かけ(AM7:00前)、すべての倉庫のシャッターをオープンにし、やがてやってくるアメリカ人スタッフのために珈琲をドリップし、やってきたスタッフにグッドモーニングと声をかけ、ちょっと様子を見ること。それが終わったらサンフランシスコの対岸のオークランド港にある税関に出かけ、許可が予定されている通関書類を受け取ることと新たな申請書類を提出することでありました。余談ではありますが、オークランドへはベイブリッジ(San Francisco-Oakland Bay Bridge)を渡っていくわけですが、私が勤務していた1987年の2年後に、サンフランシスコでとても大きな地震が発生して、このベイブリッジも崩落しています。はっきり覚えているのは、帰国後同僚とランチを摂っていてTVでベイブリッジが崩れて橋が分断されているまさにその映像を見たとき「あの橋、毎日渡っていたんだ!」と大声を出してしまったことです。

さて、税関にはお客様ご自身で申告していただいた内容を書類化し、アメリカの税関が必要とする書類を添えて提出します。しかし、お客様によっては申告貨物あるいはおそらくはご本人に何かしらの問題があって、許可が出るのが遅れることがあります。
どうしても遅れることが許されない場合、税関の担当者に書類を出すときに“I will be fired if the delivery of the package is delayed~.”(これが遅れたら私はファイヤー(解雇)されてしまう~)」と、脅しとも哀願とも判断つかないヘタクソな英語でお願いするわけです。それでも遅れたらお客様へお詫びの電話を入れることに。日本の企業からいらしているかたの場合はまずお許しいただけますが、英語のみ話されるかたで、かつ、日本でよろしくないご事情があった場合や、ちょっとわけありのかたとかはお話がややこしくなります。何度か「スー(訴える)するぞ」と言われたこともあり、実際遅れると港での保管料が発生し、これもかなりややこしい交渉となるのです。まあ、ひとことで言えば「通関」はオトナのビジネスマンになるためのまさに関所であったといえましょう。

私のとっておきビジネス英会話!

トラブルを挽回するために必死で使った“I will be fired~”ですが、この言葉を発するたびに交渉の大切さ、難しさを知り、少しずつ成長する自分自身を感じました。

Shimbaさんの体験談はこれからも続きます。どうぞお楽しみに!