私を伸ばしたビジネス英会話

海外経験豊富なビジネスマンが語る、とっておきの英語フレーズをご紹介。どういう場面で使うのか、どういう効果があるのか、など、交渉を進める上できっと参考になるはずです。商談相手に「できる!」と思われること請け合いです。

USA
N・Nさん(50代 自動車)
海外赴任当時は自動車メーカーの海外営業担当。20代後半で女性初の海外研修者としてアメリカのロスアンゼルスへ派遣される。その後イギリス、オランダ、インドと赴任経験あり。帰国した現在も世界中を飛び回って活躍中。

Vol.1 Are you comfortable with this idea?

忘れもしません。入社して初めて受けたTOEIC®の点数は400点台でした。当時、社内には翻訳課に所属するネイティブから、始業前と始業後に英会話の授業を受けるシステムがありました。この授業を受けるためにはTOEIC®受験が義務付けられていたのです。
何度か受験して700点くらい取れるようになったときに、ロスアンゼルスでの半年間の研修が決まりました。海外研修に派遣される女性社員第一号でした。

研修先では日本人女性は私ひとり。英語は完璧でないままの派遣です。もう完全に舞い上がってしまいました。しかし、アメリカ支社のダイレクターであるJさんは、そんな私にまるでお構いなし。最初から当たり前のように英語オンリーのミーティングに参加させられて、居並ぶアメリカ人の前で必ず私に意見を求めてきました。「本社のポリシーは何だ?」「きみはどう考える?」と、容赦はありません。

何を言っているのかよくわからないが、女性初の研修者ということで馬鹿にされたくない、けれども自分の意見をもたない当時の私。初めはJさんの質問にまったく答えられず、大汗をかいてしどろもどろ。しかし、この“地獄の訓練=週に1回、外国人の前で自分の意見を整理し、何とか英語で話す”を受けたおかげで、「そもそも日本語でも英語でも、自分の意見をしっかり持つということが重要だ」と知りました。いつ何を訊かれても良いように、「自分だったらこう思う」というのを、普段から考えるようになったのです。

そんな私にとって、とても印象深い英語のフレーズがありました。ビジネスの場面でよく使われた言葉で、“Are you comfortable with this idea?”(このアイデアはしっくりくるか?)というものです。“comfortable”は“fine”(心地いい)という意味に近いと思います。温暖な気候と青い海、明るくエネルギッシュな人々が暮らすロスアンゼルスのイメージと“comfortable”は、“fine”以上にとてもマッチしていると感じました。仕事には厳しく取り組む彼らですが、日本人のように仕事が終わらなければ真夜中まで働く、ということは決してしません。終業時間になればさっさと帰り、アフター5を海のそばで過ごし、おいしいお酒とごはんを楽しんで、“comfortable”な生活を大事にするというのが、そのスタイル。こういった文化があったうえで、仕事でのシビアな場面でも“comfortable”という言葉が使われるということに、私は大きな意味を感じて感動したものです。そうして私のお気に入りのフレーズになりました。そうそう、仕事で自分の意見が言えないときには、“Are you uncomfortable?”(しっくりきていないのか?)とよく言われましたね。

このように、初めての海外研修はJさんに厳しく鍛えられたおかげで得るものはとても多く、忘れられない体験となり、仕事も英語ももっと頑張ろうとがぜんやる気になりました。

私のとっておきビジネス英会話!

言葉は文化と密接につながっています。“Are you fine?”ではなく、“Are you comfortable?”が、ロスアンゼルスのスタイル。厳しい研修中にも頻繁に出てきて、自分の気持ちにとてもしっくりきたフレーズでした。

N・Nさんの体験談はこれからも続きます。どうぞお楽しみに!