若葉マークビジネスマン奮闘記

英会話に自信がもてないまま海外赴任決行! 英語の問題もさることながら、ビジネスを成功させられるか、生活は大丈夫かと不安でいっぱいのあなたも、これを読めばきっと安心。成功できるヒントが探れます。

イラスト/渋谷花織

USA
N・Nさん(50代 自動車)
海外赴任当時は自動車メーカーの海外営業担当。20代後半で女性初の海外研修者としてアメリカのロスアンゼルスへ派遣される。その後イギリス、オランダ、インドと赴任経験あり。帰国した現在も世界中を飛び回って活躍中。

Vol.4ビジネス英会話より日常英会話が難しい~!

私を伸ばしたビジネス英会話(第1回)」でお話ししたように、初めてのアメリカ研修で、私はアメリカ支社のダイレクターJさんに、徹底的に鍛えられました。英会話に自信がない状態で週1回必ず行っていたプレゼンテーションは、今でも夢に出てくるほどです。しかし、この経験から「英語も仕事も頑張ろう」と思ったのも事実。Jさんには本当に感謝しています。

さて、当時の私は研修のひとつとして、ネイティブのロードマンと二人一組になって、火曜日から金曜日はアメリカ国内の販売会社を回るという、自動車部品のルートセールスをしていました。彼の運転する車で二人きりですから、さすがに無言のままはまずい……。そこで考えたのは、「私が質問して彼に答えてもらうこと」。彼のお子さんの話や趣味の話など、いくつかの質問のパターンを事前にたくさん用意して、ネタが尽きるまで答えてもらいました。そうすると火曜日には5%しか聞き取れなかった英語が、金曜日にはまあまあ聞き取れるようになったのです。彼も「昨日はこういう話をしたけれど~」など、気を使ってくれて復習してくれて、いっそう助かりました。聞き取りに100%の確実性はなくても、3カ月くらい続けているうちにかなり慣れました。

実は、私にとっては、ビジネス英会話のほうが日常会話より楽ちんという印象だったのです。未熟な語学力ながらも、ビジネスで使う英語は専門用語なので、英単語が限られているのでわかりやすいのです。TOPICSもたいていわかります。会議であればアジェンダが用意されているうえに、事前に質問がわかっているので、回答も用意しておけます。ところが、日常会話ではそうは簡単にいきません。皆が集まるディナーでは「あなたはどんなスポーツが好き?」ときかれて、アメリカで人気の野球、フットボール、バスケットボールにも興味がなかった私は、まったく答えられず。また「俳優は誰が好き?」ときかれて、例えば「キアヌ・リーブス」と答えるけれど、彼らの質問はそれで終わりません。“Why ?” “How come ?”と必ずきかれます。「なぜ好きか?」なんてきかれても、「あえて言えば顔かなあ……?」くらいで、突き詰めて考えたことがないし、そもそも理詰めで説明することに慣れていないから、答えるのがきつかったです。そのとき、アメリカ人はどんな事でもとことん突き詰めて考えて、「何を訊かれても大丈夫」にしたうえで、自己主張するんだなと思いました。

このように平日はJさん、ロードマン、同僚たちに鍛えられたおかげで、金曜日にMAXに上達した聞き取り能力。これをダウンさせないために私が選んだのは、土日にも日本語を使わない環境に身を置くこと。日本人コミュニティに浸りきらないよう、日本語にどっぷり浸からないようにしました。

私が得た教訓
ロードマンとのルートセールスは英会話を鍛える絶好のチャンスでした。たくさんの質問に丁寧に答えてくれた彼には感謝。と同時に、プライベートの話題も充実させないとなあと、しみじみ思いました。

N・Nさんの体験談はこれからも続きます。どうぞお楽しみに!